あなたはトレミーのCTOだ。

トレミー設立メンバーの１人であるためCTOの役職に就いているが、基本的に役職などには興味がない。

そしてあなたは、ある意見の相違からハリソンを殺害した犯人だ。

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あなたは今回の木星探査には反対していた。

トレミーの技術に自信も誇りも持っているが、しかし木星探査に踏み切るにはまだまだ力不足だと思っている。

宇宙へ出てしまえば、失敗しましたでは済まされないのだ。

失敗、それは死に直結するのである。あなたは不安だった。

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だがハリソンはALMA号の打ち上げを決定した。

……恐らくは九天からの強い要望があったのだろう。

ここ数年で、トレミーには九天の資本が随分と入った。

九天がカリストまで飛べ、と言ったのであれば、ハリソンはそれを断ることができなかったのだろう。

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そうなればもはや、最善を尽くすだけだ。

あなたは技術部門のスタッフとともに最高の宇宙船を作り上げた。

そしてカリストに向けて飛び立ち――、

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だが最悪の事態は起こってしまった。

地球を発ってから78日目。技術スタッフのケイトから報告を受けた。

ケイトが開発を担当した太陽帆に不具合があり、カリストに無事に辿り着くかどうか五分五分となってしまったのだ。

これではもはや航行を続行することなどできない。

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あなたは79日目の夜、ハリソンに木星探査の中止を打診した。

​その時に、太陽帆の不具合についても話した。

彼はタイロンと相談する、と言っていた。

相談も何もないだろう、という声を押し殺し、あなたはコールドスリープについた。

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そして82日目の夜。あなたはハリソンに起こされ、ブリッジに入った。

……ありえない、ハリソンはカリストへ向かうと言っている。

何やらタイロンから極秘の計画を持ちかけられたという。

カリストに到達すれば九天の巨大事業に関われる、自分たちの未来は明るい……、彼はそう言っていた。

そのために命を賭けるのか？　九天のために？　カネのために？

あなたはハリソンと口論の末……、気が付くと、彼の首を絞め殺していた。

これでいい。これでいいのだ。これで無事に地球に帰れるのだ。

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あなたは咄嗟に、ALMA号の進路を少し変えて、小惑星帯に突っ込ませて事故を演出することを思いついた。

今回の木星探査を諦める大元の要因は、太陽帆システムの不具合だ。

その不具合が原因で木星探査を断念、となると、太陽帆の開発を担当したケイトが九天から糾弾されるだろう。

だが小惑星との衝突事故が原因での帰還なら、彼女の罪にはならない。

ケイトはあなたが最も気に入っている部下だ。

彼女のキャリアをここで潰すことなど、あってはならない。

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あなたは全ての手はずを整え、コールドスリープについた。

ハリソンを手に掛けた罪の意識と、地球に帰れる安堵感に包まれて…。

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